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親知らずと歯並びの関係とは?与える影響や抜歯が必要・不必要なケースなどを解説

「親知らずがある場合、抜いたほうがよい」という話を聞いたことのある方も多いでしょう。とはいえ「本当に抜かなければいけないのか」「抜かないとどのような影響があるのか」についてはよく知らない方も多いのではないでしょうか。

当記事では、親知らずと歯並びの関係、親知らずが与える影響、生える理由、抜歯が必要なケースと必要ではないケースについてくわしく解説します。親知らずが生えている方や、親知らずを抜くか迷っている方はぜひお読みください。

親知らずと歯並びの関係

親知らずは、歯並びに影響を与える可能性があるため注意が必要です。

親知らずは、永久歯が生えそろったあとに生えてくる歯です。したがって、永久歯が生えたての頃は歯並びがきれいだったのにもかかわらず、親知らずによって歯並びが崩れてしまうケースもあるとされています。

とくに顎が小さい方の場合、親知らずが生えてくることで歯のアーチが圧迫されてしまいます。狭い歯列に親知らずという新たな歯が生えてくることで、歯列に歯が収まりきらなくなれば、歯同士が重なってしまうことにもつながるでしょう。

また、親知らずの生えるスペースが少ないと、親知らず自体の向きが正常でなくなるケースもあります。きれいな向きで生えてこられず、横や斜めに傾いた状態で生えてくるということです。

横向きや斜め向きで生えてきた場合も、ほかの歯を圧迫するため、次第に歯並び全体が悪くなっていく可能性があります。

歯並び以外にも親知らずが与える影響

親知らずが歯や口周りに与える影響は、歯並びが悪くなるだけではありません。ほかにも、以下のような悪影響を与えるリスクがあります。

  1. 噛み合わせ
  2. 虫歯や歯周病などのリスク
  3. 痛み・腫れ
  4. 口内炎
  5. 口臭

親知らずの影響①:噛み合わせ

1つ目に挙げられるのが、噛み合わせです。親知らずは、上下左右で最大4つ生える可能性のある歯です。

すべて生えるとは限らないため、場合によっては「上の左の奥にだけ親知らずがある」というように一部の親知らずのみが生えるケースもあります。一部のみ生えてきた場合、噛み合わせが悪くなり、食べ物を噛みにくくなることにもつながります。

親知らずの影響②:虫歯や歯周病などのリスク

続いて挙げられるのが、虫歯や歯周病などのリスクです。親知らずは、歯磨きの際にブラッシングしにくい位置に生えてきます。親知らずのブラッシングが不十分となることで、虫歯や歯周病にかかるリスクも上昇しやすくなります。

親知らずの影響③:痛み・腫れ

続いて挙げられるのは、痛み・腫れです。前述のとおり、親知らずがあると虫歯や歯周病にかかりやすくなるため、疾患によって歯が痛む可能性が高まります。

また、親知らずは本来歯が生えない場所に生えてくる歯でもあります。不自然な場所に歯が生えることで、周りの歯や骨、歯茎を圧迫し、痛みにつながってくるケースもあるでしょう。

親知らずの影響④:口内炎

続いては、口内炎です。親知らずの生え方が正常でないと、親知らずによって頬の粘膜が刺激され、口内炎につながるケースがあります。

また「上の奥歯は親知らずが生えているが、下の奥歯には生えていない」といった片方だけ生えているケースの場合、片方の親知らずによってもう片方の歯茎を噛んでしまうことが多くなります。

親知らずで何度も歯茎を噛んでいるうちに口内炎となり、痛みを引き起こしてしまうケースも考えられるでしょう。

親知らずの影響⑤:口臭

親知らずがあると、口臭を引き起こすケースもあります。口臭につながるケースの1つ目は、歯と歯の間に食べ物が挟まった場合です。親知らずが横向きや斜め向きで生えている場合、親知らずと1つ手前にある歯との間に食べ物が詰まった際、歯ブラシで取り出すのが困難になります。食べ物が詰まったままになると、やがて腐敗して悪臭を放つようになり、口臭へとつながるのです。

口臭につながるケースの2つ目として、歯肉から中途半端に親知らずが出ている場合が挙げられます。このケースの場合、歯肉と親知らずの間に食べ物が詰まりやすくなります。すると先ほど同様に、掻き出されなかった食べ物が腐敗して悪臭を放ちやすくなるのです。

そもそもなぜ親知らずは生えるの?

親知らずが生える理由は、昔と今の食習慣の違いにあります。昔の人々は、動物の生肉や穀物、木の実といった硬い食物を中心に食べていました。硬いものを中心に多く摂取していたため、顎の骨が今よりも発達しており、親知らずが入るためのスペースも十分に確保されていました。

しかし現在では、昔よりも柔らかいものを多く食べるようになっています。結果、昔よりも「食べ物をよく噛む」という習慣が少なくなり、顎が発達しにくくなりました。顎が昔ほど発達しなくなったことで、親知らずの生えるスペースがなくなり、異常な形で生えやすくなったのです。

親知らずの抜歯が必要・不必要なケース

親知らずの抜歯が必要か否かは、状況によって異なります。以下では、抜歯が必要なケースと、必ずしも行う必要はないケースについてそれぞれ解説していきます。

抜歯が必要なケース

親知らずの抜歯が必要となるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 横や斜めを向いており、まっすぐ生えていない
  • 歯並びに悪影響を与えている
  • 噛み合わせに悪影響を与えている

上記に当てはまる場合、ものを噛み砕くという歯の機能が十分に果たせなくなり、歯磨きもしにくくなります。したがって、健康のために抜歯するのがおすすめです。

抜歯が不必要なケース

親知らずの抜歯が不必要となるケースは、以下のとおりです。

  • きれいにまっすぐ生えている
  • ほかの歯の並びに悪影響を与えていない
  • 噛み合わせに悪影響を与えていない

異常な向きになっておらず、なおかつ噛み合わせにも悪影響を与えていないのであれば、親知らずはほかの歯と同様の機能を果たせます。

また、きれいに生えている親知らずは、横や斜めを向いている親知らずよりもブラッシングがしやすくなります。したがって、虫歯や歯周病を引き起こすリスクも少なくなるでしょう。

よって上記に当てはまる場合は、必ずしも親知らずを抜く必要はありません。

まとめ

親知らずは、永久歯が生えたあとに生えてくる歯です。親知らずが生えたことで、ほかの歯が圧迫され、歯並びが悪くなるケースもあります。

親知らずが影響を与える要素は、歯並びだけではありません。虫歯や歯周病、口内炎の原因となったり、噛み合わせの悪さ、口臭を引き起こしたりするリスクもあるため注意が必要です。

親知らずが生える理由は、昔と今の食習慣の違いにあります。現代人は昔よりも硬いものを食べなくなったため、顎の骨が発達しにくくなって生まれたとされています。

親知らずは歯や口元にさまざまな悪影響を与えている場合が多いため、抜歯するのがおすすめです。ただしものによっては、きれいに生えていたり、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えていなかったりするケースもあります。悪い影響を与えず、歯としての機能を正しく果たせる親知らずであれば、必ずしも抜く必要はないといえるでしょう。

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