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インプラントは虫歯になる？メンテナンスの重要性なども説明

「インプラントをすれば虫歯ケアしなくていい」といったまことしやかな噂を聞くことがありますが、これは本当なのでしょうか。結論としてたしかにインプラント自体は虫歯になりませんが、メンテナンスを怠ると重大なトラブルを引き起こすリスクがあります。この記事ではインプラントの代表的なトラブル例と、トラブルを避けるためのポイントを解説するので、これからインプラント治療を受ける方もぜひご参照ください。

【結論】インプラント自体は虫歯にならないが、インプラント周りのトラブルは起こり得る

結論として、インプラント自体は虫歯になりません。インプラントは、ボルト状の人工歯根を顎に埋め込んで土台を作り、その上に人工歯を取り付ける構造です。人工歯根と人工歯はいずれも人工的な素材で作られているため、エナメル質や象牙質が溶け出すことがありません。虫歯になる仕組みそのものをなくせるため、インプラント自体が虫歯になることはないのです。

しかし、これはインプラント自体が虫歯にならないというだけの話であり、それ以外の歯が虫歯になるリスクはなくなりません。また、インプラント自体にもトラブルが発生する可能性はあります。「インプラントに替えたから安心」と高を括るのではなく、医師からの指示は必ず守り、毎日のメンテナンスや定期検診を欠かさないことが重要です。

インプラント周りの代表的なトラブル

インプラント周りのトラブルとして、代表的な例を4つ紹介します。

＜インプラント周りの代表的なトラブル＞

インプラント周囲炎
インプラント自体の破損や脱落
インプラント周辺に発生する虫歯
インプラント周辺の歯茎の腫れ・出血

それぞれどのような内容のトラブルなのか確認しておきましょう。

インプラント周囲炎

インプラントとその周辺は歯周病菌が繁殖しやすい状態になります。インプラントやその周辺の歯を不衛生な状態で放置していると「インプラント周囲炎」という炎症を引き起こす可能性があるため注意しましょう。インプラント周囲炎は、不衛生な環境でインプラント治療を行ったことが原因で起こることもあるため、信頼できる歯科医院で治療を受けることも大切です。

インプラント周囲炎が進行すると、歯茎の腫れや出血、インプラントやその周辺の歯のぐらつきといった症状が見られます。放っておくと歯が脱落する恐れもありますから、何らかの異常を感じた場合はすぐに歯科医院に相談し、適切な治療を受けてください。

インプラント自体の破損や脱落

インプラントが折れる・欠ける、外れてしまうなどのトラブルも発生します。原因として考えられるのは主に以下の4点です。

＜インプラントが破損・脱落する原因＞

インプラントと顎の骨が結合していない状態で治療を進めてしまった
そもそもインプラントと顎の骨が結合していない
事故などで強い衝撃を受けた
歯を食いしばるなどの癖を抱えている

最初の2点に関しては、歯科医師の技量不足が原因で起こります。このようなトラブルを避けるためにも、実績が豊富で信頼できる歯科医院を選ばなければなりません。事故に関しては仕方がありませんが、治療直後は固い物を食べたり、歯を食いしばったりすることは避けるように心がけましょう。

インプラント周辺に発生する虫歯

インプラント自体は虫歯になりませんが、他の歯と同じように汚れや雑菌は付着します。「インプラントは虫歯にならないから大丈夫」とケアを怠り、放置していると、インプラント周辺にある天然歯がダメージを受けて虫歯になるため要注意です。

いくら天然歯を丁寧にケアしても、隣り合ったインプラントが汚れていると、その汚れが天然歯に移動するため意味がありません。フロスやタフトブラシといったアイテムも上手に活用し、インプラントの歯磨きも丁寧に行って、口内の清潔を保ちましょう。

インプラント周辺の歯茎の腫れ・出血

インプラントを埋め込む際は歯茎を切開し、顎の骨に穴を開ける外科手術をともないます。これが原因で歯茎が腫れたり、出血したりすることは珍しくありません。

通常は時間の経過とともに回復しますが、なかには症状が悪化するケースもあります。これは患部に雑菌が侵入した結果と考えられるため、歯科医師による診断と治療が必要です。患部に触れたり、歯ブラシで磨いたりすると悪化する恐れがあるため、できるだけ早く歯科医師に相談しましょう。

インプラント周りのトラブルにならないためのポイント

先述したようなインプラント周りのトラブルに巻き込まれないために、以下の3点を意識しましょう。

＜インプラント周りのトラブルにならないためのポイント＞

インプラント自体の寿命を把握する
毎日のインプラントケアを欠かさない
定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

いずれも重要なポイントです。わかりやすく解説するので、必ず確認しておきましょう。

インプラント自体の寿命を把握する

インプラントは丈夫な素材で作られているため、メンテナンスを欠かさずに正しく使えば天然歯よりも長く使い続けられるポテンシャルがあります。ただし、厚生労働省はインプラントの平均寿命を10～15年と定めており、必ずしも半永久的に使い続けられるとは限りません。

インプラントを過信せず、いずれ寿命が来ることを把握して過ごしましょう。適度なメンテナンスを欠かさずに行うことで、インプラントによるトラブルを防ぎやすくなるだけでなく、インプラントの寿命を延ばすこともできるのです。

毎日のインプラントケアを欠かさない

インプラントケアの主な種類は以下のとおりです。

＜インプラントケアの種類＞

歯磨き
デンタルフロス
タフトブラシ

インプラントやその周辺の汚れを落とすために、毎日の歯磨きは欠かせません。歯と歯の間に挟まったごみをかき出す「デンタルフロス」「タフトブラシ」を使ったケアはとくに有効なので、歯科医院ですすめられたアイテムを使いながらケアをしましょう。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

先述した自分自身で行うケアが基本ですが、定期的に歯科医院でもメンテナンスを受けましょう。何らかのトラブルやケアの不足がある場合、速やかに対処・指導してもらえます。欠かさずに定期検診を受けていれば、万一の際に保証を受けられる場合があることもメリットです。

「インプラントをすれば虫歯ケアをしなくていい」は間違い！

インプラント自体は虫歯になりませんが、その他のトラブルが起こる可能性はあります。また、インプラントに付着した汚れが移り、近くの天然歯を虫歯にさせるリスクもあるため要注意です。歯科医院によってはメンテナンスに来る前提の手術を行っていることもあるため、インプラントのケア・メンテナンスは必ず行いましょう。