マウスピースで矯正できる噛み合わせの症状、失敗しないための注意点を解説
歯列矯正を検討している方のなかには、目立ちにくい装置のマウスピース矯正を第一候補としている方が多いのではないでしょうか。矯正期間は長いため、できれば目立たない方法で治療を進めたいと考えるのも無理はありません。
しかし「マウスピース矯正で改善できる噛み合わせって?」「失敗しない?」などと、不安を抱いてしまう方も少なくないでしょう。
今回は、マウスピースで矯正できる噛み合わせについて解説します。マウスピース矯正で失敗しないための注意点もあわせて解説するので、歯列矯正を検討している方、マウスピース矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
マウスピースによる噛み合わせ矯正とは?
マウスピース矯正とは、形の異なるマウスピースをスケジュールどおりに交換しながら装着し、歯を動かしていく矯正方法です。症例によって異なりますが10~14日に一つのペースで交換して、理想の歯並びへ近づけていきます。
ワイヤー矯正よりも少しずつ歯を動かしていくので、治療には期間は2~3年ほどかかります。しかし、マウスピースは透明な薄いプラスチックでできており、自分で取り外しができるので目立ちにくいというメリットがあります。矯正期間中の見た目を気にする方でもチャレンジしやすい矯正器具といえるでしょう。
噛み合わせの悪さは放置すると危険!
歯並びの悪さは見た目にも影響するため気にする方が多いですが、噛み合わせの悪さを意識したことがある方は少ないのではないでしょうか。しかし、歯並びと同様に噛み合わせの悪さもさまざまな悪影響をおよぼしてしまいます。
たとえば、口を大きく開けられない顎関節症や虫歯・歯周病の誘発などが代表的な例として挙げられます。他にも、口周りの筋肉をバランスよく使えないことから頭痛や肩こりに悩まされることもあるでしょう。口内だけでなく、全身へ影響をおよぼしてしまうので、噛み合わせが悪いまま放置しないようにしましょう。
マウスピースで矯正できる噛み合わせの症状
マウスピース矯正では、ワイヤー矯正と同じようにさまざまな噛み合わせを矯正できます。それぞれの矯正方法に向き・不向きな症例はありますが、他の矯正装置と併用するとほとんどの症例に対応できるといわれています。
ここでは、マウスピース矯正で改善できる噛み合わせの症状について解説します。
叢生(そうせい)
叢生(そうせい)とは、歯が重なるデコボコした歯並びのことを指します。乱ぐい歯や八重歯も叢生の一種です。叢生は、見た目の影響が大きいこともありますが、歯が重なっている部分は清掃性が悪いため虫歯や歯周病のリスクを高めてしまう歯並びです。
開咬(かいこう)
開咬(かいこう)とは、口を完全に閉じた状態でも上下の前歯が噛み合わず隙間ができてしまう噛み合わせのことをいいます。歯科ではオープンバイトと呼ばれ、口呼吸になる可能性が高いといわれています。また、前歯が噛み合わないため奥歯に負担がかかってしまい、将来的に歯を失うリスクが高くなってしまいます。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突(じょうがくぜんとつ)とは、上顎の前歯や顎全体が前に突出している状態の噛み合わせをいいます。一般的には、出っ歯と呼ばれる噛み合わせです。横顔など見た目の影響はもちろん、前歯で食べ物を噛み切れなかったり、口呼吸になったりする可能性があります。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎前突(かがくぜんとつ)とは、噛んだときに下の歯が上の歯よりも前側に噛み合う状態の噛み合わせです。受け口や反対咬合と呼ばれることもあります。一部の歯に負担がかかりすぎてしまうため、歯の寿命が短くなる可能性があります。
空隙歯列(くうげきしれつ)
空隙歯列(くうげきしれつ)は、歯と歯の間に隙間がある歯並びのことをいいます。一般的にはすきっ歯といわれ、前歯に隙間がある場合は「正中離開(せいちゅうりかい)」と呼ばれます。幼い印象を与えてしまうほか、食べ物が詰まりやすかったり、発音がしにくかったりという問題が発生しやすい歯並びです。
過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合(かがいこうごう)とは、噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯を覆いかぶさっている状態の噛み合わせをいいます。噛み合わす力が強いため顎関節症になることもあり、上の歯が下顎の歯茎を傷つけてしまうこともあります。また、上顎前突になるケースもあるでしょう。
マウスピースでの噛み合わせ矯正についての注意点
マウスピース矯正ではさまざまな噛み合わせを矯正できますが、いくつかの注意点が存在します。マウスピース矯正を検討している方は、以下のポイントに注意しましょう。
- マウスピース矯正が適用できない症例がある
- 不適切なマウスピースは噛み合わせを悪化させる
では、それぞれくわしく解説していきます。
難しい症状の場合はマウスピース矯正ができない
重度な悪い噛み合わせや骨格に問題がある噛み合わせは、マウスピース矯正では改善できないケースがあります。矯正期間中の見た目に関する問題が少ないことから、マウスピース矯正を希望する方が増えてきていますが、適用されない症例で無理に治療を行うと失敗する可能性もあります。医師とよく相談した上で、自分の症例に適した矯正方法を選ぶようにしましょう。
適切なマウスピースを使用しないと噛み合わせが悪化する
マウスピース矯正では、歯列に合っていないマウスピースの使用を続けると、噛み合わせが悪化してしまうケースがあります。適用できない症例でマウスピース矯正を行っていたり、スケジュールどおりにマウスピースを交換しなかったりすることが原因として考えられます。
また、医師のマウスピース矯正に関する知識や経験が不足していることも考えられるでしょう。治療計画から歯が異なる動きをした場合に、軌道修正する技術が備わっていないため噛み合わせに悪影響を与えてしまうケースもあります。
噛み合わせが改善しないと感じたら医師に相談する
噛み合わせに違和感を覚えたり、効果が実感できなかったりする場合は、すぐに通院している医師へ相談するようにしましょう。そのまま放置してしまうと悪化が進んでしまうケースがあります。
また、自分が目標としている仕上がりと、医師の認識にズレが生じているケースも考えられます。日ごろから医師と十分なコミュニケーションが取れる医院であることも大切です。
ワイヤーとマウスピースを併用した噛み合わせ矯正もできる
マウスピース矯正では一部の症例は対応できませんが、治療過程の一部をワイヤー矯正などとの併用で改善させることもできます。最終的な仕上がりの調整でワイヤー矯正を適用させたり、大きく歯を動かす場合に適用させたりと、症例によってワイヤー矯正を併用させるタイミングは異なります。
そのため、マウスピース矯正専門の医院ではなく、ワイヤー矯正も行っている医院を選んでおくともしもの場合でも安心でしょう。
まとめ
マウスピース矯正で改善できる噛み合わせについて解説しました。マウスピース矯正は、自分で取り外しできることや、装置が目立ちにくいことから人気の矯正方法です。一部の症例では適応できないこともありますが、専門的な知識を持つ医師によって解決できる場合もあるでしょう。
吉祥寺セントラルクリニックでは、各分野の専門医と技工士や歯科衛生士がそれぞれ連携を取り合いながら、最善の治療を提供できる環境を整えています。歯医者が苦手な方でも通院しやすいよう、安全性にも配慮した空間で治療を提供しています。歯列矯正でお悩みの方、マウスピース矯正を検討している方は、吉祥寺セントラルクリニックへお気軽にご相談くださいませ。
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