一般的な部分入れ歯は、自分の歯の代わりとなる人工歯と、粘膜の上に乗る歯茎と似た色の床[しょう]、これらを残っている歯に固定するためのクラスプ(留め具)からなります。
ノンクラスプデンチャーは、クラスプがなく、義歯床の範囲を広げて歯茎を覆うことで維持させますで、入れ歯をつけていることが他人に気付かれにくくなります。また、入れ歯が外れたり、ずれたりすることが少なくなることや、残っている歯へ負担を減らすことができます。
ノンクラスプデンチャーの利点
- 樹脂の弾性を利用して装着するため、歯に固定するためのクラスプ(金具、バネ)を必要としません。
- 歯肉の色に近い樹脂で出来ていますので、審美性が高く、部分入れ歯を装着していることにほとんど気づかれません。
- 弾性の高い樹脂を使用していますので壊れにくく、一般的な樹脂の部分入れ歯よりも薄く軽く作って違和感を軽減することが出来ます。
- 樹脂の弾性によってかみ合せの負担が緩和されるため、クラスプで固定源の歯を傷つける心配がありません。
ノンクラスプデンチャーの欠点
- 適用できる症例に制限があり、残存歯が少ない場合には使用できないことがあります。
- 素材自体の寿命が短いため、2~3年程度で作り直しをする必要があります。
- 補修が出来ない素材のため、破損した場合には新しく作り直すことになります。
- 特殊な樹脂で出来ているため、手入れに注意が必要です。市販されている一般的な洗浄剤(塩素系・漂白系)を使用すると変質・破損する恐れがありますので、専用の洗浄剤を使用するようにしてください。