拡大床
装置で顎を広げて歯を並べる矯正治療
成長期のお子様の場合は、プレートやワイヤーでできた拡大装置を用いて上顎や下顎を広げ、抜歯をせずに歯を並べるためのスペースを確保して行う矯正治療が可能です。
不正咬合(悪い歯並び)は顎の骨と歯の大きさのバランスの不調和により起こります。すなわち、顎の骨が小さいために歯が並びきらず、歯並びがバラバラとなってしまうのです。
通常の矯正では歯を綺麗に並べるためのスペースを確保するために抜歯などの処置を必要とするのに比べ、拡大装置を用いる矯正では顎の骨自体を横方面に広げることにより、歯を抜かずにスペース不足を解消します。顎を拡大する矯正の最大の利点は、歯を抜かずに矯正治療を行えるということです。拡大装置で顎をゆっくりと押し広げていく治療ですので、発育途中のお子様に適しています。
拡大装置の適応症例
顎を広げる矯正治療は、叢生(乱ぐい歯、八重歯/デコボコの歯並びのこと)の治療に適しています。
- 叢生(デコボコ・八重歯)の治療 : 拡大床 クワドヘリックス
- 上顎前突(出っ歯)の治療 : ヘッドギア バイオネーター
- 反対咬合(受け口)の治療 : フェイシャルマスク ムーシールド バイオネーター
- 過蓋咬合(深いかみ合わせ)の治療 : バイオネーター
取り外しが可能な拡大装置(拡大床)
拡大床 上顎
拡大床 下顎
顎を拡大する矯正治療法で最も一般的なものは、取りはずしができるプレート(拡大床:かくだいしょう)を用いて上顎や下顎を広げ、抜歯をせずに歯を並べるためのスペースを確保して行う床矯正(しょうきょうせい)です。拡大床の調整は、患者様ご自身やご家族の方に行っていただきます。
拡大床を使用する矯正(床矯正)のしくみ
床矯正では、主に顎を横方向に拡大します。真ん中に取り付けられたネジ(拡大ネジ)を調整して装置(拡大床)の幅をゆっくりと広げ、顎の骨を押し広げていきます。
床矯正の利点と欠点
拡大床を使用する矯正は抜歯をせずに出来るという利点がある反面、1日に12時間以上の使用が必要なため、食事の際などに外した装置を付け忘れてしまうと治療が長引いてしまうことがあるという欠点も持ち合わせています。矯正担当の歯科医師とよく相談された上で、お子様にとって最善の治療法をお選びください。
床矯正の利点
- 抜歯をせずに矯正治療を行うことが出来ます。
- 取り外し式なので装置をつけていることから起こるストレスを軽減出来ます。
- 外出時には装置をはずすことが出来ますので、気付かれずに矯正治療を行うことが出来ます。
- 取り外しが出来ますので、食事や歯磨きの際に装置による制限を受けません。
床矯正の欠点
- 顎の拡大には限界がありますので、適応出来る症例に限りがございます。
- 適用範囲が狭く、成長期のお子様全てに適用できるわけではございません。
- 固定式の装置を使用する矯正治療と比べ、治療期間が長くなることがございます。
- 拡大床だけで歯をきれいに並べることが出来ない症例の場合は、ワイヤーを使用する矯正も併用する必要がございます。
- 取り外しが出来るため、装置を落として壊したり失くしたりするリスクがございます。
固定式の拡大装置(クワドヘリックス)
固定式拡大装置 上顎
固定式拡大装置 上顎
症例によっては取り外しができない拡大装置(クワドヘリックス)を使用することがございます。クワドヘリックスは太いワイヤーでできたバネのような装置の弾力でゆっくりと顎を押し広げて行きます。
表側矯正を併用する場合もございます。
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